2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『羞恥の痕』

『羞恥の痕』

スカートの中に閉じ込めれた空気は
開けたスカートの合い間から
白い湯気を立てて漏れあがった。

朝の裏庭で
スカートを外す羽目になるとは
予想だにしなかった美玖だった。

だが今はそれどころではない、
この二人の他に
自分の知られたくない恥ずかしい姿を
知る者が居る、
それが一体誰なのか?
そのことに意識が囚われていた。

「ほらっ、とっとと放しなさいよっ!」

スカートを掴んだまま
それを呆然と考えていた美玖を圭子が叱咤した。
慌てて美玖は返事をした。

「は・・はい、圭子様!」

美玖は太腿の上で
掴んでいたスカートから手を放した。

パサッ・・・!

太腿全体が4月の空気に触れ、
汗に蒸れた肌を
爽やかに乾燥させていくのを感じた。

「うわ、何、そのパンティ・・・!」

由美が美玖の
汗にずぶ濡れの下着を指差して叫んだ。

20分の全力疾走をしたのである、
美玖の大量の汗が
小さな下着を
濡れそぼらせるのは当然のことだった。

「あら・・・、
 あんたそれ・・・、
 昨日はいてた奴じゃない?」

圭子が目敏く指摘した。

美玖は瞬間に目を瞑り、
唇をかんだ。

その通りだった、
昨夜の自虐自慰の時に使った
昨日の下着だった。

「色と形・・・それに・・・。」

「それに・・・?」

圭子のゆっくりとした呟きに
由美が問い返した。

「恥ずかしいところに
 黄色い沁みがあるじゃない。」

「あっ、ほんとだ・・・っ!」

「あんた、キャプテンなんだからパンツくらい
 毎日、変えなさいよ、恥ずかしくないのっ!?」

羞恥の痕

「・・・・。」

汚れた下着を品評され、
美玖の頬は赤く染まった。

昨日の下着を
何も好きで穿いてきた訳ではない、
昨夜の醜態の後、
疲れ果てた身体で
全裸のまま寝てしまった美玖であった。

今朝のいきなりの呼び出しに
新しい下着を選んでいる時間がなかったのだ。
手元にあった下着を
そのまま着用してしまったのである。

「昨日のパンツよね・・?」

「どうなのよっ!?」

「は・・はい・・・。」

美玖は消え入るような声で返事した。

「そうです、
 昨日の下着のままです。
 ごめんなさい・・・。」

謝る必要など無いのだ、
しかし、
羞恥に震える美玖は
いつしか大人しかった幼かった頃の性格を
垣間見せていたのだった。

「上は・・・
 ブラはどうしたのよっ?」

「え・・あ・・あの・・・。」

「”あの”じゃないって
 言ったばっかじゃないっ!」

圭子と由美が代わる代わる
美玖を責めた。

「は・・はい・・、
 あの・・あ、すみません、
 きょ・・今日は着けていません。」

「あはっ、そうなのっ!」

圭子が呆れ顔で呟いた。

「は・・はい・・・。」

ブラを着けている時間が
全くなかったのだ。

やはり昨日脱いだままの
制服のブラウスとジャケットを
羽織ってきていただけであった。

「ふーん、
 じゃ、ジャケット脱いで見せて・・・!」

由美が言い放った。

「・・・えっ?」

美玖は思わず耳を疑った
今、ブラを着けていないことを
告げたばかりである、
汗にまみれたブラウスが
制服のジャケットの下で、
どのような状態であるかは容易に見当が着く筈である。

「はっやっくっ!」

由美は戸惑う美玖の気持ちなど
お構い無しでジャケットを脱ぐのを急かした。

”今は・・、
 今は逆らわないほうがいい・・・。”

いずれチャンスを見て、
もう一人が誰なのかを突き止めて
”それ”を抑えることができれば・・・

今はそれしかないことを
美玖は自分に言い聞かせた。

「は・・はい、由美様・・・、
 ジャケット・・・ジャケットを脱ぎます。」

紺のジャケットをずらすと
白いブラウスが現われた。

案の定、薄手のブラウスは
美玖の汗ばんだ肌に濡れて
その中身を透けて見せていた。

『濡れた肌』

美玖は慌てて乳房の辺りに両手のひらを当て
誰にも見せたくは無い
羞恥のそれを隠したのだった。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
あとがき

そんなわけで
美玖ちゃんの危機は続くのでした。

果して援けは来るのでしょうか?

美玖ちゃん、がんばれ!

ふぃが

『苦渋の覚悟』

『苦渋の覚悟』

この二日間、
美玖は自分より2つも年下のこの二人の新入部員に
翻弄されていた。

”ああ・・もうわからない・・。”

つい十数秒前、
人生を台無しにされたと思い、
怒りのはけを晴らそうと爆発した感情は、
今また、
僅かな希望の光をこの憎んでも憎みきれない
この二人の言葉に頼っている。

”わ・・私・・、
 私・・・どうすれば・・。”

日本バレーボール界の
新たな新星として脚光をあびるスーパー少女も
弱みを握られれば
ただの17歳の少女である。

心細げなその姿は
185cmの恵まれた体躯も小さく見えた。
その様子を伺いながら
勿体つけるように由美が呟いた。

「げほっ・・げほっ・・・
 ああ・・苦しかった・・・はぁ・・・。」

「ほんとっ・・・
 何かって言うと暴力を振るうんだからっ!
 この馬鹿力女っ!」

圭子も由美に相槌を打つようにうそぶいた。

「ご・・ごめんなさい・・。」

謝る必要など無いはずなのだが
気弱担った少女は二人に何度も頭を下げた。

「あ・・あの・・、
 それで・・・ひ・・ひとりだけって・・・?」

恐る恐る美玖は二人に尋ねた。

「あーあ・・・、
 どうしよか、由美・・・?」

「うーん・・・、
 ごめん、私、首痛くて・・・。」

「そうよね・・・私も、
 また、どっかの怪力女に突き飛ばされて・・・。」

美玖の縋るような視線を気付かぬ振りをして
圭子は腰を擦る。

「ご、ごめんなさい、
 本当にごめんなさい・・・。」

由美は呟いた。

「もう本気でWEBに載せてやろうかしら・・・?」

「そ・・そんなっ・・・!
 ご・・ごめんなさい・・・そんなつもりは・・・!」

「赦せないわよね・・・!」

「世界中に日本のバレーボールのスーパーアイドル、
 香坂美玖は超変態女だったって・・・。」

「あはは・・それいいっ!」

二人の会話に嗜虐の色が見え始めたことに
美玖は怯えた。

”ああ・・だめ、
 弱気になったら・・・、
 また昨日の繰り返しになる・・・。
 落ち着いて・・美玖・・落ち着いて・・・。”

美玖は昨日の自分を振り返り、
二人に弱みに付け込まれてしまっていったことを思った。

「そ・・そんなことをしたら、
 ゆっ・・赦さないっ!本当に赦さないからっ!」

自分には力がある・・・
人生を棒に振られたなら怖いものなど無い。

その報復を
二人に仕返すのは当然のことである。
それを脅しに
圭子と由美に画像の処理を迫ろう・・・。

美玖は追い詰められた
自分を奮い立たせて凄んで見せた。

「また暴力に訴えようとするの?」

15歳の少女とは思えない
落ち着いた声で由美は応えた。

「そ・・そうよっ!
 あ・・あんた達がそのつもりなら、
 私・・私だって、覚悟があるわ・・・!」

「ふーっ・・!
 学習能力の無い人ね、ほんと・・・。」

由美は呆れ顔をして
圭子の方を見た。

「ふっ・・筋肉馬鹿だから・・・
 しょうがないわ・・・。」

圭子も由美と視線を交え、
嘲笑の笑みを浮かべた。

「な・・なんですって・・・!」

大人びた二人の様子に
呑まれない様に美玖は二人をにらみつけ
肩をいからせた。

「ふーっ・・!
 全く、学習能力の無い人ね、ほんと。」

「・・・・・・?」

美玖の威嚇に
全く動じない二人に美玖自体が動揺した。
膝が震えるのを必死に堪え、
睨み返した。

「はん、しょうがないわね・・・。」

その視線を覗きあげるように
圭子が語り始めた。

「もう一人って、
 あなた、誰だかわかる・・・?」

「・・・?
 わ・・・わかるわけないじゃないっ!
 そっ・・それがっ!?」

「ここまで言っても判らないの?
 ・・・これだから・・・バレー馬鹿は・・・?」

自分の胸の位置にも足りない
下級生のその言葉に美玖の肩先が震えた。

「なっ・・何ですって!」

いつしか、また握り拳を作っていた。

「きゃー、怖い、
 また暴れられちゃう・・っ!」

怒りの形相を浮かべる美玖に
少しも怖じける様子を見せずに圭子が茶化す。
その姿に美玖は
とうとう拳を奮い上げた。

「いいのっ!?
 私達以外の誰かが
 あんたの超恥ずかしい写真と動画を
 ばら撒くってことっ!」

圭子が美玖の振り上げた拳を見ることなく、
美玖の顔を見つめて言い放った。

「・・・・・?!」

戸惑う美玖に
由美が言い放った。

「あんた、私達がばら撒けば、
 暴力を振るって報復するでしょ?!
 今みたいに・・・!!」

「あ・・当たり前でしょっ!」

「暴力で以って、
 私達を脅そうって
 思ってたんじゃない!?
 大方、それで画像を取り返そうって。」

思惑を言い当てられ、美玖は言葉につまった。

「ふふっ・・わからないっ!?
 あんたの知らない誰かは
 あんたのその暴力を怯えることなく、
 ばら撒けるってこと!」

「・・・・!」

衝撃が美玖の脳髄に貫いた、
同時に振り上げた拳を力なく落とした。

「わかったみたいね・・・。」

圭子が勝利に満ちた顔で
二人に暴力を振るえば、
そのもう一人の誰かが画像をばら撒くことを
得意げに話した。

「誰・・・誰に送ったの?」

「ばーか、教えるわけ無いじゃないっ!
 ほんと馬鹿じゃないのっ?!」

圭子はそういうと由美と目を合わせ
声を立てて笑った。

「ああぁ・・・。」

答えてくれる筈のないことを
美玖は尋ねる前から判っていた。

しかし聞かずには居られなかったのである。
憔悴にくれる
美玖を見つめながら、
不意に笑いを抑えた由美が呟いた。

「お仕置きが必要ね・・・。」

ビクッ・・・!

美玖の大きな身体が震えた。

「スカートを脱ぎなさいっ!」

「・・・・!」

由美の顔を美玖は見つめた。
そこには嘘でも冗談でもない、
威圧の瞳が美玖を捉えていた。

「・・あ・あの・・こ・・ここで?」

「”あの・・”じゃないっ!
 ”はいっ、由美様でしょっ”!」

美玖は絶望の淵に立たされていた。
今は由美たちの命令に従うしかない。

美玖は一瞬、周りの様子を伺った。
幸い、登校時間でもあり、
東校舎の裏庭や、
その向こうに垣間見える町並みにも
人影は見当たらなかった。

美玖は覚悟を決め、
由美の言葉を復唱した。

「・・は・・はい・・、
 由美様・・、スカートを脱ぎます。」

美玖は制服のスカートのフォックを外し、
ファスナーをゆっくりと降ろすのだった。

『苦渋の覚悟』

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

あとがき

美玖ちゃんは
バレーを始める前は
どちらかというと
背が大きなことをコンプレックスにした
おとなしい女の子でした。

気丈な態度をしたとしても
それを砂上の楼閣にも似て
とても脆いのです。

頑張れ、美玖ちゃん。
おじさんは応援しているぞ!


ふぃが

『戸惑うアスリート娘』

『戸惑うアスリート娘』

”な・・なんてこと、
  なんてこと・・・なんてことをっ!”

絶望と怒り、
悔しさと恥ずかしさに、
美玖の心は掻き毟られ
無意識にに由美の制服の襟首を掴んでいた。

”きゃっ・・んぐぅっ・・・!”

怒りに任せて
彼女の身体を持ち上げていた。

「よ・・よくも・・・
  よくも、ううぅ・・・。」

自らの性癖が招いた過ちではあった。
深夜の部室徘徊は確かに良いことではない。

唯、匂いを嗅がせて貰っていただけで
汚したり、場所を乱したり、
増してや盗みを働いたわけではない。

知られてはならないのだから、
それは密かに
誰にも気付かれないように・・・。

”なのに・・・なのに・・・”

横断歩道で突き飛ばしてしまった
下級生の泣き顔が思い浮かんだ・・・。

「うううぅぅぅっ!!」

美玖は低いこもった声をあげて
由美の襟首を掴んだ右拳に力を込めていた。

「く・・くるしいっ・・・。」

由美は息を停められる
その苦しさに喘ぎ声をあげた。

「よっ・・・
  よくも・・・
   よくもおおぉっ!」

気付かぬうち、
爪が手のひらに食い込むほどに
左手に握りこぶしを作っていた。

溢れ出でる怒り

「ま・・待って!
  待ちなさいよっ!」

圭子が駆け寄り
美玖の腕にしがみついた。

ドンッ!

美玖は圭子のその行動を予測していたように
右ひじに体重を乗せて突き放した。

ドサァツ!

並みの男子生徒より
身体能力も体格も勝る美玖に体当たりされれば、
15歳の当たり前の少女はひとたまりも無い。
土ぼこりを立てて投げ出された。

「ゆ・・赦せない・・・
  赦せないぃぃっ・・・。」

美玖の瞳は涙ぐんでいた。

もう自分の人生は終わった、
一枚や二枚ではない、
アイコラをされたでは
とても通用しない枚数である。
そして動画さえも・・・。

”わ・・私、
 そ、そんな悪いことをしてたの・・・?”

「ねぇっ・・・!
  に・・匂いを嗅いでいただけなのにっ!!
   そ・・そんなにっ・・・!?」

周りに憚ることなく
美玖は頭上の由美に叫んでいた。

「わ・・私の・・
  人生・・もうっ・・あああっ!」

悲鳴のような叫び声をあげて
美玖は懇親の力を込めて左拳を
由美の頬に打ち出そうとした。

「ひ・・一人だけよっ・・・!」

地面に尻餅をついている
圭子が叫んだ。

「え・・・?」

拳を握り締めたまま、
美玖は圭子の次の声を伺った。

「・・一人だけに送信しただけっ!
 まだ撒き散らしたわけじゃないわ・・・。」

圭子はそう呟くと、
美玖が由美を殴るのを停めたことを見届けながら
ゆっくりとスカートについた土を払い、
立ち上がった。

「ど・・どういう意味・・・?」

美玖は訝しげに圭子に尋ねた。

バタバタバタバタ・・・・

「は・・は・な・し・な・さ・・いよっ!」

足をばたつかせ、由美が喘いだ。

ドサッ・・・。

美玖は右手の力を緩め、
由美を解放した。

突然、襟首を空中で開放された由美は
足をばたつかせていたせいで
その場に尻餅をついた。

しかし、

「げほっ・・げほっ・・げほっ・・
  はぁはぁはぁはぁはぁ・・・。」

尻餅の痛さよりも
急に呼吸を取り戻すことができた肺を
噎せながら整えることに囚われていた。

由美の呼吸が整い、
立ち上がるのを待ち美玖は尋ねた。

「あ・・あの・・、
 ひ・・ひとりだけって・・・?」

戸惑うアスリート娘


ばら撒かれていないとする
圭子の言葉の意味、
ひとりだけという意味、
美玖は戸惑うのだった。


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

あとがき

そうそう片腕だけで高1の女の子を
持ち上げられる女の子は居ないと思う。

今日はお花見にGo!

ふぃが





『破約の報い』

『破約の報い』

階段を登りきれば、
美玖の通う高校は目の前だった。

「はぁっ、はぁっ、はあっ、はあっ・・・!」

バレー部の
トレーニングでも使われる心臓破りの階段を
いつもに勝る勢いで登りきった美玖は
チラッと腕時計を見つめた。

「あぁっ、もうっ・・あぁっだめ・・・!」

残された時間は既に30秒を切っており、
残された距離は校門をくぐっても
東校舎の裏までは
まだ200m以上が残されている。

”撒かれちゃうッ
  ああ・・・私の・・・
   私の恥ずかしい写真っ・・・!”

校門の前の歩行者信号は
点滅を始めていたが、
美玖は痙攣しかけている太腿を両手で叩いた。

気合を込めて横断歩道を
駆け抜けようとしたその時だった。

バサァッ!

「きゃあっ・・・!」

「あっ・・ご、ごめんなさいっ!」

巻き込まれる被害者

横断歩道を横切りながら
美玖は下級生らしい女子生徒にぶつかり、
彼女の鞄は勢いよくアスファルトの道路に
叩きつけられた。

バササッ・・・・

同時に鞄の中身の教科書やペン、
全てが横断歩道の上に散らばった。

「ああぁっ・・・。」

歩行者信号は既に赤になり、
女子生徒は嘆きの声を漏らしながら
それを拾い集めようとしたが、

パーッ!
バーパパパパッ!

歩行者信号は赤になり
車のクラクションが鳴り響いた。

「ご、ごめんなさいっ・・・!」

車に向かって謝る
女子生徒の悲壮な声に一旦はそのまま走り去ろう
美玖の足を留めた。

ピーッ!
バーパパパパッ!

「ばかやろうっ!なにやってんだっ!」

運転手の怒声に
更に下級生は慌て、
その瞳に涙が浮かんでいることを認めると

”ああ、だめ、ほっとけない・・・。”

女子生徒のもとに
駆け戻ろうと踵を返した美玖の目に
周りの生徒や人々が先に駆け寄る姿が見えた。

その光景に美玖は
一先ずの安心を覚え、
再び自らの危機を優先させることにしたのだった。

「ご、ごめんねっ・・
  急ぐからっ・・・!」

散乱した教科書や学用品は
ほとんどが拾い集められて、
女子生徒に手渡されていたが、
美玖のその声は周囲の人々に反感を買っていた。

「ひでー・・・!」

「何・・・あれ・・・。」

「何様のつもりなの・・・。」

走り去る美玖の背中に
非難が浴びせられた。

普段は心優しい彼女である、
自らの行為はそれを被っても致し方の無いことを
甘んじて受けた。

”ああ・・ご・・ごめんなさいっ!
 でも、でも・・”

心で謝っても、
それは人々には届かないことを
美玖は知っていたが足を止めることは出来ない。

”赦して・・・ごめんなさい・・・。”

自らの性癖から招いた失態であることを
美玖は心から悔やんでいた。

”急がなきゃっ!”

どう見繕って考えても、
もう約束の時間は過ぎてしまっていた。

”どうしようっ!!”

東校舎の裏庭に
たどり着いたときには
既に約束の時間を1分ほども過ぎていた。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、
  ご、ごめんなさい・・・。」

息を切らせながら、
美玖の謝る視線の先には
腕を組んだ圭子と由美の姿があった。

「遅かったわね、
 早く、こっちきなさいよっ、美玖っ!!」

「待ちくたびれたわ!
 図体ばっかりでかくて、
 ほんと、ぐずねっ!!」

「は・・はいっ・・・申し訳ありません。」

まだ一年生新入部員の二人に呼び捨てにされ
罵倒される憤りを堪えながら、
美玖は校舎を背に
二人に挟まれるように立った。

それ以上に息が切れていた、
約20分の間、全力疾走をしてきたのだ。

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ・・・」

息を整えようとする美玖の目の前に
由美が立った。

「おはようっ!美玖っ!」

185cmの美玖を見上げながらも
由美の顔には美玖を見下す表情が現われていた。

「はぁはぁはぁはぁ・・
 お・・おはようございます・・・
 由美さ・由美様・・・はぁはぁはぁはぁ。」

「私には挨拶無しなのっ!?」

「はぁはぁはぁはぁ・・
 す、すみませんっ!
 そんなつもりは・・・
 おはようございます、け・・圭子様っ!
 はぁはぁはぁはぁ・・・」

美玖に憧れて
二人がバレーボール部に入部してきたと
眼を輝かせていたのはつい2週間ほども前のことだった。

それが今では、
楽しい玩具を見つけた子供の目の様な
別の輝きを見せていた。

”ああ・・
 なんでこんなことに・・・。”

今更後悔をしてもどうしようもないことは
美玖にも判っていた。

”今は、何とか言うことを聞いて・・・
  画像を処分してもらわないと・・・。”

まだ高校生といえども
幼い二人の表情を見つめながら美玖は思った。

「1分、遅刻ね、約束通り、
  あんたの恥ずかしい画像を
   配信しちゃったわ!」

「え・・・?」

美玖は一瞬耳を疑った。

”ま・・まだ、
 遅刻っていっても、
 1分そこそこじゃない・・・。”

画像を送っているわけはない、
謝罪をすれば何とかなるであろうという
淡い期待は破られていた。

「はぁはぁはぁはぁはぁ・・、
 な・・何でっ・・・そんなことっ!
  はぁはぁはぁはぁ・・・。」

「何でって、当たり前でしょっ
  約束を守れなかったんだもん。」

「・・・・・・・。」

『破約の報い』

然も当然とばかりに
胸を張ってうそぶく由美の言葉に
美玖の自分の意識が真っ白になっていくのを
感じた。

「しょうがないわよね・・・。
  あははは・・・。」

圭子の渇いた
笑い声を聞くや否や、
美玖は由美に向かって
大きく足を踏み出していた。

----------------------------------

リハビリ終了・・・。

久しぶりすぎて設定を
殆ど忘れてしまっていました。

続き作成中。

ふぃが


アスリートマゾ香坂美玖#14 『身体能力』

『身体能力』

バレーボールのネットを
 大きく越える跳躍力を持った美玖の脚力は
  物置を扉を蹴破り
   母の婦人自転車のフレームをも軋ませ
    ペダルを踏み込み続けました。

ガチャコン!ガチャコン!ガチャコン!ガチャコン・・・・

「あ・・あと・・・2分。」

山の頂きにある
 学校の校舎が見えてきました。

谷を挟んだもう一方の頂に
 美玖の家はあり
  間に流れる川を渡れば
   学校側の坂道は当然
    登り坂になります。

美玖は学校までの
 最短距離を選びました。
  美玖たちが部活の練習でも
   使用している心臓破りの階段です。

やや迂回したところに
 緩やかな坂の大通りがあり
  殆どの生徒が
   自転車やバスでそこを利用します。

しかし距離とすれば
 この階段が一番近いのです。

ガシャン!

自転車を階段の登り口に
 降り捨てて
  300段以上もの階段を
    駆け上り始めました。

ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ・・・・・!

185cmもの身長の美玖は
 その恵まれた身体能力を以て
  3段飛ばしで地響きを
   立てながら駆け上っていきます。


「あ・・・美玖先輩・・・。」
   
利用する人が少ないとはいえ
 一部の運動部の1~2年生が
  筋トレのために登下校に
   この階段を利用しています。

「あっ・・おはようございます!
  美玖・・・先・・・ぱ・・い・・・。」

50段ほど上ったところで
 女子生徒がいました。
  運動部の生徒たちにとって
   美玖はカリスマとさえいえる存在です。

しかし・・・

女子高生 
kaidannnobori


「はぁっ!はぁっ!はぁっ!」

ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ・・・・・!

美玖は見向きもせずに
 階段を3段飛ばしを続けて
  駆け上っていきます。

”ああっ、
  ブラジャーしてくるんだったっ!”

高校3年生にしては
 豊か過ぎる上下左右に揺れるその乳房は
  階段を駆け上る彼女には負担でしかありません。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・!」

「美玖先輩・・・。」

普段は優雅とさえ思える微笑を浮かべ
 下級生に接する美玖が
  乳房を揺らし下着もあらわに
   鬼気迫る形相で階段を駆け上っていく姿は
    まさに異様なものです。

しかし美玖は
 そんなことに気を留める余裕などありません。
   自分の存在自体が無くなりかねる
    その爆弾のスイッチを学校で待つ
      バレー部の後輩が持っているのです。

階段を上りきれば学校は目の前です。

「はぁっ!はぁっ!はぁっ!はぁっ・・・。」

”あ・・・あと、もう少し・・・”

咽喉が涸れ、
 両脚の筋肉が痙攣しそうに
  張り詰めていました。

けれど美玖は
 自分の身体能力の限界かとも
  思われる力を発揮し続けるしかなかったのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<あとがき>

がんばれ美玖ちゃん!
もう少しだ!!

しかし未だに
 女子高生のパンチラに
  胸を躍らせてしまう・・・

こまったもんだ。。。

ふぃが
   


プロフィール

ふぃがろ

Author:ふぃがろ
ふぃがろです。
よろしくお願いします。

最新トラックバック

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR