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幸絵022『幸絵クリスマスの葛藤 幸絵の提案』

「値段を・・・
 値段をどうすればいいかな?」

室山の心配は
ケーキを半額で売り出そうとしていたのを
幸絵に止められたことにあった。

「幸ちゃんの言うとおり、
 いきなり半額にしてしまったら・・・
 
予約のお客様も怒ってしまうし
 確かに来年からの
 予約も危うくなってしまうのは判る・・・

 けれど・・・」

室山は
幸絵の顔を伺いながら
自分の懸念を捲くし立てた。

「けれど・・、
 そのまま定価で売ったとしたら、
 きっと、売れ残ってしまうよ・・・。」

店長の慌てふためく声に
幸絵は優しく尋ねた。

「店長・・・
 クリスマスケーキのお店の
 儲けはどれくらいですか・・・?」

「えーと・・・
 どれくらいだったかな・・・・?
 た、確か、
 買値が売値の
 5割から6割くらいだったかな・・・?
 で・・え~と経費が・・・
 えーと・・・。」

問い掛けにしどろもどろな
店長に幸絵は優しく応えた・・・。

「店長・・・
 わかりました・・・
 うまくいくか
 保証は出来ないですが・・・。」

幸絵は自分の考えを
説明した。

店長、がんばりましょうっ!


「う・・うん、
 そうか・・・、
 で・・・でも・・・それで・・・
 うまくいくかな・・?」

「うまくいくかどうかは・・・
 私たちのがんばり次第ですよ、
 店長・・・!
 ねっ・・・?」

幸絵の笑顔は明るく
店長の不安を溶かすように輝いていた。

----------------------------

あとがき

ほんと、いい娘だね・・・。

ふぃがろ

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