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幸絵021『幸絵クリスマスの葛藤 歓喜と不安』

「あ・・・
 ありがとう、幸ちゃん・・・。
ほっ、本当に助かるよ!!」

ケーキを台車に運ぶ
室山の声は歓喜に上ずっていた。

「いえっ・・・
 わ・・私こそ
 すみませんでした。」

テキパキ幸ちゃん

幸絵も
ケーキを台車に運びながら
自らの不義理を恥じていた。

”もっと早く
 判断すれば良かったのに・・・”

結局は自分の判断の遅さで
店長にも迷惑が掛かってしまうし、
悲しませることにもなる。

「さっ・・
 急ぎましょう・・・。」

1分でも時間は惜しい。
幸絵は台車に崩さないように
安全に積めるだけのケーキを載せた。

「それとこの部屋は暖か過ぎます。
 これを売り場に運んだら、
 残りのケーキを倉庫にお願いします・・・!」

「う・・うん、判った・・・。
 売り場はパン売り場の前でいいかな?」

「いえ・・・
 入り口付近にしてください。
 そう、予約のお客様の
 引渡しも一緒にそこに・・・。」

「え・・・?」

「一番目立つ場所で
 入ってくるお客様全員の目を惹く場所が
 良いでしょ?
 それに予約のお客様のケーキを見て
 興味を惹いてくださるお客様もきっと・・・。」

「あ・・ああっ、
 そうだね・・・その通りだ・・・。
 あっ・・・そうだ・・・。」

「え・・・・?」

歓喜に緩んだ店長の顔が曇った。

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あとがき

一度決めたら
”優柔不断幸ちゃん”から
”テキパキ幸ちゃん”に変身!!

幸ちゃんの活躍はまだこれから・・・。

ふぃがろ

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