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幸絵013『幸絵クリスマスの葛藤Ⅲ 生活費の工面について』

幸絵の生活費工面方法

”今月のお支払い・・・
  まだ少したりないんです・・・。
 
 だからもっと
  マゾ奉仕・・・
   がんばらないと

 幸絵加虐生殺自在主様に
  ご迷惑を
   お掛けしてしまうんです。”

幸絵は山積みにされた
クリスマスケーキを見つめながら
心の中でつぶやいた。

幸絵たち夫婦の生活費は
いや、
正確には夫、
義春の生活費といっていいだろう
彼の食費、電気代、ガス代、水道代、受信料は
もちろんのこと
衣服、インターネット代、
携帯代、パケット代は
幸絵が支払っている

収入の全てを夫に握られている中
幸絵は夫に奉仕した対価分だけ
改めて生活費の工面を立てる

奉仕といっても
食事の支度や洗濯、掃除、
マッサージ、風呂の準備、身体洗い、歯磨き等々、
一般生活への奉仕は
当たり前の行為として
奉仕とは看做(みな)されない。

愛する夫、
義春の嗜虐性癖を満足させることが奉仕・・・
マゾ奉仕が奉仕と看做されるシステムとなっていた。

そして当然のことながら
苦しんだだけ、
絶え抜いただけ、
支払われるというわけではない。

もちろん
その苦痛の過酷さは配慮されるのだが、
その配慮は愛する夫の気分次第・・・

つまりは、
夫の満足度によっては、
どんなに苦痛を耐え抜いても
対価に値しないと
判断されれば無償奉仕となる。

当然、
小遣いを減らしたくない夫からの
満足度を得るのは難しいことだった。

愛する夫の
生活を守るためには
その努力を幸絵は惜しまない

即ち、幸絵は・・・
生活のため
自分自身で稼いできた収入を
また改めて
マゾ奉仕して僅かな報酬を
二重の労苦を以って得ている

これは未就労の愛する夫に
主人としての優越感を得てもらいたいとする
幸絵の妻としての気遣いで
幸絵自身が望んだ方法であった

しかし・・・

”昨夜だって結局は私の・・
  私の努力が足りなくて・・・”

幸絵は
昨夜のことを思い浮かべていた

”幸絵加虐生殺自在主様
  変態マゾ幸絵豚に
   マゾ耐久実験を
    お願い致します・・・

 どうか・・
  どうか・・
   もっと、もっと
    虐めて下さいませ・・・”


幾度となく繰り返された願いも空しく、
昨夜は結局
部屋の中の夫はゲームに夢中で
幸絵にマゾ奉仕を
させてくれていなかった

そうした意味でも
今日は特別であり、大切な日であった

”たくさん、
  虐めてもらわないと
   いけないんです・・・
    ごめんなさい、店長・・・。”

言葉に出来ない理由を胸に
幸絵は店長に
改めて意思を伝えるのだった
    

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