2013/12/25 幸絵011『幸絵、クリスマスの葛藤 Ⅰ』 「ごめんなさい・・・ 店長・・・ わたし、今日は・・・ あの、どうしても・・・。」幸絵に懇願の視線を送る店長に向かって幸絵は応えた昼となく夜となく幸絵は少しでも愛する夫の傍(かたわ)らにいて彼の存在を・・・彼の気配を感じる場所に・・・彼女はそれを切に願っていた増してや今夜は特別な夜になるかもしれないという密かな期待が夫への愛情を更に高めていた今朝の出勤が如何に辛かったか・・・愛しい夫の寝顔と寝息を見続け聞き続けたい気持ちを断ち切るまでに幸絵は何度ガラス戸にすがり寄ったことか・・”ああ・・・ ほんとは ほんとは・・・ お勤めにも行かずに ずっとずっとずっと・・・ お傍(そば)にいたい・・・ お仕えしていたいのに・・・”どうしても、勤めなければいけない理由は明白だった・・・
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