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拷問虜囚ナディア『地下の天国』

『地下の天国』

哀れな二人の皇女のくぐもった喘ぎ声は
廊下を歩くナディアの耳にまだ届いていた。

高貴な家柄に育った彼女達が
何故、ここまで酷い目に逢わされるのか
きっと、理解せぬままに
全裸にされ棘付きのゲージに押し込まれたのだ。

理不尽な扱いにナディアは
後ろ髪を惹かれる思いであったが
ゲオルグに腕をつかまれ
皇女たちのもとを後にした。

「ひ・・姫様が知ったら・・
 ああ・・きっと・・・。」

何も知らずに
無残な姿で犠牲になっている
エリアナ妃をナディアは思い浮かべすすり泣いた。

その呟きに先を歩く
ゲオルグが反応した。

「あん・・・?
 エリアナが知ったらどうなるか・・・?
 きっとおかしくなっちまうだろうなっ!?
 あはは・・。」

皇太子妃の彼女の名前を
この元庭師が呼び捨てにしている自体が
ナディアには赦せなかった。

けれども、
今は彼が絶対的な君主として
彼女達、そして自分の運命を握っているのは
事実だった。

ナディアは咽喉元まで出掛かっている
ゲオルグの非道への非難を押し殺したのだった。

「着いたぞ・・・入れ。」

ギィィイ・・・

扉が開かれた奥に鉄格子が見えた。

”・・・ろ・・牢屋・・・?”

ナディアは
エリアナや皇女達の置かれた状況を
思い起こし躊躇したのだった。

「おらっ、入れっ!」

バシッ・・・・!

「あうっ・・・!」

入室を拒んでいるナディアの白い尻を
ゲオルグは平手で叩き
無理やりの入室を促した。

つんのめるように部屋に入った
ナディアは鉄格子の部屋をみた。

「ほらっ・・ここがお前の部屋だ。」

窓のない
鉄格子が組み込まれた部屋は
裸電球だけが照明だった。

tikatenngoku

「あいつらに比べれば天国だろ?」

ゲオルグ指し示す
鉄格子の中には寂びた鉄製の台の上に
黄色く変色しカビが生えかかっているマットが敷かれていた。

16才の幼な妻、
来月には愛する夫ジャンの子を
小さくとも暖かな我が家で抱くはずであったナディア。

その夢が急速に消えかけていくことを
必死に打ち消しているのだった。

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ナディア描くの
1年11ヶ月ぶり。

AKMさん
馬鹿だから
長い名前覚えられないです(笑)

ふぃがろ

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