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羞恥の薫り

『羞恥の薫り』

「そ・・・それ、
 よ・・よこせっ・・・!」

「あっ・・・。」

幸絵が脱いだばかりの
ピンクの水玉模様の下着を
義春は奪い去りました。

その小さな布切れに
ほんのり残された幸絵の秘所のぬくもりを
義春は握り締めた手に感じていました。

再会してから
終始怒りの表情を見せていた義春が
手の中にあるそれを見つめ
口元を緩ませたのを見て
恐らくもう二度と自分の手元に
それが戻ってこないことを幸絵は感じました。

”ああ・・さっき、
 おしっこ・・しなければよかった・・・。”

下見に行った高校近くの
駅のトイレで小用をしてきたことを
幸絵は後悔していました。

幸絵のような裕福な家庭以外では
ウォッシュレットがまだ一般的でない時代です。

故に小用を足した後、
トイレットペーパーで丁寧に拭いてはいますが
下着に汚れが着いていないか
羞恥心の強い幸絵には心配でなりません。

”ああ・・・”

幸いそのまま義春はそれを無造作に
自分のズボンのポケットに押し込みました。

”・・・やっぱり・・・。”

その場で下着を拡げられ
恥かしい沁みの有無を確かめられることは
免れました。

しかし、
それが手元にもう戻ってこないことは的中し
下着無しで帰宅しなければならないこと、
何れは義春にその部分を拡げ見られてしまうことに
羞恥したのでした。

”ごめんね・・・おにいちゃん・・・。”

また、
よもやその沁みが
男性の好奇の的であるなどと知る由も無い幸絵は
トイレに行っていない状態で
それを渡せなかったことを
申し訳なく思うのでした。

しかし
幸絵のそんな思いなど他所に
義春は幸絵に命令を下しました。

「か・・・隠した手・・
 手・・・ど・・どけろっ!」

義春の目は
幸絵の小さな手が隠した胸と股間に注がれていました。

「・・・は・・・はい・・・。」

家から出掛けた時、
まさかこの様な場所で裸になるなどとは
夢にも思うはずもありません。

けれど
幸絵は覚悟を決め、
震える手を徐々に隠したいその場所から
離して行きました。

幸絵は頬を真っ赤に染め
恥かしさに涙を潤ませながら
物心ついてから
誰にも見せたことの無い場所を
よだれを垂らさんばかりの
義春の前に晒しました。

”ああぁ・・・恥かしいよぉっ・・・!”

河原に吹く風が
生え始めたばかりの幸絵の淡い茂みを揺らしました。

「ぐぐふっぅぅ・・がはぁっ!」

「きゃっ・・・!」

突然、義春が意味不明の言葉を吐いて
幸絵の股間に顔を擦り付けたのでした。
思わず、幸絵は短い悲鳴を上げました。

「すぅぅぅっ・・!」

”ああん・・・だめっ!”

義春は自分の鼻を
幸絵の羞恥の付け根の部分に押し付け
思い切り吸い込み
その香りを嗅いだのでした。

義春の鼻腔に
日向で良く干された干草の様な
微かに香ばしい香りが拡がりました。

「げひっ・・・
   げひっひっひっひひひ・・・・。」

義春が低い奇声をあげて笑いました。

「い・・いやっ・・・!」

思わず腰を引こうとする幸絵に
義春がどなりつけました。

「じ・・じっと・・じっとしてろっ!」

「ううう・・・は・・・はい・・・。」

幸絵は呻きながら
”気を付け”のその姿勢を崩すわけにも行かず
震える足で立ちすくむしかありません。

「げひひっ・・・
  しょ・・しょん便の・・
   に・・匂いだぁ・・・。!」

yukie014


「くぅぅぅぅっ・・・ううう・・。」

少女は指を噛んで
その惨い羞恥に耐えたのでした。

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