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服従哀奴ターミ#12『悴む身体』

『悴む身体』

ご主人様のご命令通り
氷の張った池に身を沈める覚悟をしました。

焔を揺らめかせるバケツを
腰を使って池に放り
その熱で氷を割ることをご命令頂きました。

「んんん・・・・!」

クリトリスピアスに繋がられたバケツを
前に放り出す痛みは
気絶するばかりのものでした。

それでもバケツは
氷上に亀裂を生じさせ
氷の下の透明な水と
深く蒼い底を覗かせました。

バシッ!!
バシュシュシュシュシュシュ・・・・・!!
ジョボボボボボオ・・・・!

燃え滾る石炭は轟音を立てて
水しぶきと蒸気をあげました。

池の対岸に佇むご主人様
静かなその瞳は私を見つめています。
私は短く頭(こうべ)を下げて
入水の覚悟を伝えます。

バケツの開けた穴を目指し
足の先からゆっくりと身体を沈めていきます。

パシィ・・・!

「・・・・!」

新たに割り入った
氷の下に潜む透明な水は
鋭い刃物で刺し込む様に
非情な冷たさを私に伝えます。

バケツの沈んだ深みに歩み寄ると
水蒸気を未だに沸き上げる石炭が
暖かい水流を以て
私の身体を掠めさせました。

でもそれは一瞬のこと、
やがて微かなその救いの暖流も
冷たい氷魔に襲われ絶えました。

氷魔は私の身体さえも
密かに凍らせんと
割れた亀裂を繋ぎ始めます。

「ふぅぅぅぅううううう・・・・・・・・。」

私はゆっくりと息を吐きながら
敢えて身体を氷魔の胎内に
沈めていきました。

ご主人様に頂いた鞭の痛みが
冷たさに麻痺して感じられなくなってきました。

池に佇む私の頭上を
さらさらとまた粉雪が舞い始めます。
手足の指先が痺れ感覚も薄れてきました。

凍結美女
kjikamukarada


ああ・・・
これが私です。
あなたの奴隷です。
ご満足は頂けますか・・・?

答えを求め
ご主人様の表情を
窺い知ろうとすれども・・・

ご主人様の向こうを
もどかしいほどにゆっくり流れてく
雲の切れ間が
冬の日差しを覗かせて
容易にそれをさせてくれません。

眩(まばゆ)い光に隠された
愛しい相貌は
如何に悴(かじか)む身体を捩じらせても
窺い知る事の出来ない哀しさに
頬を濡らす私でした。

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<あとがき>
風邪惹かないでね。。。
ターミちん。。。

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