2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アスリートマゾ香坂美玖#11 『翻弄』

『翻弄』

恥辱の撮影会から解放され
 やっと家に帰ることができた美玖は
  2階の自分の部屋に駆け上がり、
   そのままベッドに泣き伏せました。

コンコン・・・コンコン・・・
 「美玖ちゃん・・・どうしたの?」

いつも夜遅くまでの練習をして
 帰宅時間が遅くなるのを
  承知している両親ですが、
   今日は既に12時近くになっていました。

必ず顔を合わせ
 帰宅の挨拶を交わす美玖が
  遅くなった今日に限って
   廊下を走り過ぎて行ってしまったのです。

訝しげに思った
 美玖の母は階段を登り、
  美玖の部屋のドアをノックしたのです。

「な・・・、
  何でもないよ・・・!
   練習に熱が入りすぎて
    疲れただけ・・・・・、
     ごめん・・・今日このまま寝る!」

「・・・・お風呂はどうするの・・・?」

美玖の母親は
 いつもと違う美玖に戸惑いました。
  態度だけではなく、
   彼女が通り過ぎた跡に
    鼻を突くような
     異様な臭いが漂っていたからです。

美玖はいつも
 部室で秘密の行為をした後、
  その残り香を消す為に
   必ずシャワーを浴びて帰ります。

けれども
 今日は圭子たちから逃げ出したくて
  開放された途端にシャワーを浴びずに
   服を着てそのまま逃げ出してきてしまったのです。

「・・・あ・・明日の朝、
  明日の朝・・・入るよっ・・・!
   ごめん・・・疲れたから寝るっ・・・!」

「美玖ちゃん・・・ちょっと美玖ちゃん・・・。」

「ごめん・・・ほんと疲れたの・・・。」

ガチャン・・・
 滅多に掛けることの無い
  部屋の鍵を美玖は内側から掛けました。

暫くその場所に佇んでいたであろう
 母親の階段を下りていく音が
  聞こえてきました。

「うううぅぅ・・・・っ!」

ドアノブを握り締めて
 美玖は泣き崩れてしまったのでした。

♪・・・♪・・・・

 携帯電話の着信メロディが流れました。
  その音で目が醒めた美玖は
   電話の表示を見ました。

”圭子さん・・・”

女子バレー部員のアドレスと電話番号は
 全て登録をされています。
  お気に入りのメロディも
   今はまるでレクイエムの様に
    美玖には聞こえてきます。

ふと時計を見ると
 時間は午前1時を少し回っていました。
  ドアの袂で1時間近くも泣き寝入ってしまったのです。

♪・・・♪・・・♪・・・・

出るのを躊躇していた美玖ですが、
 なかなかそれは止みません。
  美玖は覚悟を決めて
   着信ボタンを押したのでした。

「も・・もしもし・・・。」

『何ですぐ出ないのっ!!
  30回近く鳴らしちゃったじゃないっ!』

「ご・・ごめんなさい・・・!」

『今度、3回以内に出なかったら
  みんなに写真ばらまくからね・・・!』

「・・・・ご、ごめんなさい、
  それだけは・・・許して・・・許してください。」

『・・じゃぁ、気をつけるのねっ・・ほんとにするわよ!』

「は・・はい、ごめんなさい、
  必ず・・必ず3回以内に出ます。」

『・・・ふん、まあいいわ・・・。
  じゃあ、さっき言ったとおり、
   早く送ってよ・・・』

靴置き場での撮影会で
 圭子達の携帯電話の記録容量がいっぱいになり、
  美玖の携帯電話でも撮影を始めたのです。
   帰宅後それを送る約束をさせられていたのでした。

「・・・・は・・・はい。」

逆らえば、
 またどんなことを言われるかもしれません。
  美玖は素直に返事しました。

『あ・・・そうだ、
  あんた携帯で送らないでよ!
    時間かかるから・・・。』
  
「え・・・?」

『メモリー取り出してPCで送ってよ。
  ・・・あんたんちも光でしょ!?』

「は・・はい・・・、
  そ・・そうで・・す・・・。
   え・・・あぁっ!」

『・・・な・・・何よ、大きな声出して・・・』

「け・・圭子さん、
  あの時・・・まだ送れてなかった・・・の・・・?」

圭子が既に自宅のPCに送ったとのことを信じて
 圭子ら二人の携帯電話、
  自分の携帯電話のメモリーにもいっぱいに
   写真を撮影されたのです。

『あはっ・・・気付いた?
  あんな重いのそんな瞬間で送れる訳
   ないじゃない・・。
    鈍いわね・・・・あはは・・・。』

「・・・・うぅ・・・。」

悔しさに美玖は震えました。

『でも、もう遅いわね・・・。
  ほんとにPCに記録移しちゃったもん。。。
    あはっPCでも2分くらい掛かったよ・・・。』

「ひ・・・ひどい・・。
  騙したのね・・・?」

『何言ってんの、
  送信ボタンを押したのはほんとよ!
    勝手にあんたがもう手遅れだって思っただけじゃないっ』

「そ・・・そんな・・・だって・・・!」

『あんたが鈍いのを私達の所為にして・・・、
  わかった、送ってやるわ
   みんなに・・・あんたの趙恥ずかしい画像っ!
    ブチッ・・・ツーツーツー・・・』

「え・・・あ、あのちょっと・・
  あぁ・・ご、ごめんなさいっ!
   ま・・まって・・・送らないで・・・!」

圭子が一方的に切った電話に
 美玖は哀惜の悲鳴をあげました。

”け・・・圭子さん、ま・・・待って・・・
  お願い・・・圭子さんっ・・・お願い・・・っ!”

美玖は心の中で必死に祈りながら、
 携帯電話の着信記録を震える指で呼び出し、
  圭子の携帯電話にリダイヤルしたのでした。

プルルルゥ・・・プルルルゥ・・・プルルルゥ

”出て・・・ねぇ・・・出て、
  お・・・お願い・・・圭子さん・・・っ”
  
美玖はカチカチと上下の歯を鳴らし
 携帯電話を鳴らしました。
  10回コールした後に呼び出し音が途切れました。

「ああっ・・・け・圭子さん・・・あの・・・」

『こちらは留守番電話サービスです。
 ただ今、電話に出ることができません。
   ピーッと言う発信音の後20秒以内で・・・』

「そ・・・そんな・・・。」

『ピー・・・・』

「あ・・あの・・・圭子さん、
  ごめんなさいっ・・・私が悪いんです。
   許してください・・・。
    あの・・・
     き・・・きっと・・・
      いえ・・・
       圭子さんは悪くありません・・・。
        だ・・・だから・・・・あの・・・。」

『ピー・・・・このメッセージで・・・』

”ああ・・・だめっ!もう一回・・・”


ピ・・ピ・・ポ・・・
プルルルゥ・・・プルルルゥ・・・プルルルゥ・・・

やはり圭子は電話に出てくれません。
 またしても留守番サービスセンターのアナウンスが流れました。

『ピー・・・』
哀願
翻弄


「あ・・・あの、圭子さん、
  ごめんなさいっ
    私の・・・お、お願い私のあの画像、
     みんなに送らないで・・・・
      私が悪いんです・・・
       何でもします・・・
        だから・・・だから私の恥ずかしい画像を
        送らないで下さい・・・お願いします・・・。」

『ピー・・・』

「うぅぅ・・・。」

一応はお願いする内容は伝えましたが、
 けれど、今この時も圭子はPCの発信ボタンを押している可能性は
   あります。

”も・・・もう一回・・・”

プルルルゥ・・・プルルルゥ・・・・プルルルゥ・・・

『ピー・・・ッ!』

「圭子さん、許してください・・・。
  電話に出てください・・・っ。
   送らないで・・・画像を送らないで下さい。
    何でもします・・・私、私・・・
     あんな恥ずかしい画像が世の中に出たら・・・
      私・・・生きてられません。
       だ・・・だから・・・。」

『ピー・・・・』

「うううぅ・・・な・・なんでこんなことに・・・。」

翻弄される美玖は涙に溢れた瞳を凝らし、
 また携帯電話のリダイアルを始めるのでした。
  
-------------------------------------------------
あとがき
ほんと、かわいそうな美玖ちゃん。
 圭子さんに翻弄されています。 
  どうするんでしょうね?

今回、ぜんぜん色っぽくなくてごめんね。
 次回はとっても色っぽくする予定です。

でもあまり
 期待しないで待ってください。
  ふぃがろ

コメント

非公開コメント

プロフィール

ふぃがろ

Author:ふぃがろ
ふぃがろです。
よろしくお願いします。

最新トラックバック

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR