2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

牛女畜奴栗原香澄#11 『生きること』

『生きること』

十分な水分を補給し
 乳房の女牛乳(めうしぢち)生産の欲求を満たした頃、
  日はとっぷりと更けました。
   香澄は小川の畔の草叢に伏せました。
 
その夜は朝からのトラックでの運搬、
 市場前での小便大便検査、
   競売で売れ残ってしまい、
    その挙句の逃走劇・・・、
      香澄の身体も心も疲れ果ててしまっていました。

香澄はこれからのことをどうしようかと考える暇も無く、
 深い眠りに誘(いざな)われたのでした。

朝が来ました。
 香澄はまた急激な咽喉の渇きに目を覚ましました。
  そして夜の内にまた女牛乳を蓄え続けた乳房は
    パンパンに張っていました。

香澄は自分自身の手で以って
 女牛乳を搾り出し小川に流しました。
  絞りきった乳房と乳首はその腫れを引き、
   落ち着きを戻しました。

そして口を小川に付けて
 ごくごくと胃をいっぱいに水分補給をしました。
  やがて乳房がまたジュゥゥ・・・と音を立てて
    その水分を吸収し始めました。

キュルルル・・・・
 香澄のお腹が音を立てました。
   思えば、朝、哀玩農場を出る時に食べたのみで
    それから水以外、全く口にしていないのです。
      香澄は辺りを見回しました。

小川の川原にはそこかしこに草が生えていました。

”食べられるかな・・・?” 

香澄はこの3ヶ月、
 農場主から与えられている『香りのいい草』しか食べていません。
  良い女牛乳を作り出す為です。

四つん這いになり
 草叢に頭を付け草の匂いを嗅ぎました。
  
”あっ・・・この匂い・・・!”

香澄は草叢の中に農場主が与えてくれていた
『香りのいい草』を見出すことが出来ました。

ザクッ・・・
 ショリショリショリ・・・・

「も・・・もぉぉぉっ!(お・・おいしい・・・!)」

朝露に濡れてやや冷たくなっている『香りのいい草』は
 香り以上に香澄の食欲をよりそそる味を呈していました。
  思わず香澄は嘶いてしまいました。
   香澄はそんなことも気にせずにその草を貪りました。

”ああ・・・美味しかった・・・。”

香澄は満足げに顔を起こしました。
 朝日は既にやや見上げる位置まで昇ってきていました。
  食欲に任せ路傍の草で胃を満たした自分がいました。
   水鏡に映った自分の姿を見て、
    昨日は自ら命を絶とうとも考えた自分がいました。

家畜
ikiru



けれど香澄は今、
  朝日を見上げて再び生きようと考えました。
    身体を改造されたとしても生きてさえすれば
      同じ様に元に戻る改造も出来る可能性もあります。

青い空に暖かく輝く朝日を見て香澄は
 ”生きるだけ生きてやる・・・・”
   そう心に誓ったのでした。

コメント

非公開コメント

プロフィール

ふぃがろ

Author:ふぃがろ
ふぃがろです。
よろしくお願いします。

最新トラックバック

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR