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奴(ぬ)の話#12 考える空間

『考える空間』

私はFigaro様のご命令に従いゲージに入りました。

キー・・・カチャン・・・。

後部の柵が閉められました。
  鍵は勿論、Figaro様がお持ちになっています。

”どう・・・?”
「はい・・、いいみたいです。」

”・・そう、いいのか・・?”
Figaro様は私の返事に微笑を浮かべられました。
  何がいいのか私にも判りませんでしたが、
    何故かそう応えるのが一番合っているような気がしたのです。

”場所はと・・・?”

キュキュキュ・・・・・・。
  お呟きになりながら、
    ゲージを押してFigaro様は
     Figaro様がいつも座られるソファの隣まで
       移動をしてくださいました。


”ここでいい・・・?”
  「はい・・・、ありがとうございます。」


”・・・じゃ、いってくるね。”
  「はい、お気をつけて・・・。」

家畜奴隷
檻の中


お早いお帰りを・・・と、
  併せて加えようと考えましたが、
    それは奴隷として厚かましい言葉です。
      私はそれを控えました。

ガチャ・・・ガチャチャ。

ドアの鍵が閉められて、
  私は一人部屋に残されました。
    そして部屋の中を見回してみました。

電気の消された部屋に
  静かに家具が並んでいます。
    物音一つ立てるわけではなくただ整然と・・・。

私もその一つです。
  みんなFigaro様の為にあるのです。

Figaro様が
  おくつろぎになって座るためのソファ。

Figaro様が
  お楽しみなる為に画像を繰り出すテレビ。

Figaro様の
  お食事や飲み物を支える為のテーブル。

Figaro様の
  周りを明るく照らすライト。

Figaro様の為に
  私は何ができるのだろう・・・・。

Figaro様の為だけを思っているうちに
   あっという間に午前中が過ぎました。
    手足の痺れが心地よく私を苛み始めました。

慣れなきゃ・・・、
  私は家具なんだから、
    テーブルさんや椅子さんにできるんだから・・・私だって。

けれど、私は何が出来るのかな・・・・?
  くつろいで頂く為、
    楽しんで頂く為、
       周りを明るく照らす為、
         私は何かできるのかな・・・・?

Figaro様の為を想い、
 考えを巡らすこと・・・、
   瞬く間に時間が過ぎていきました。
     その中で私の考える空間には
       このゲージすら広すぎることを感じました。

夕陽が赤く染まり、
  部屋の色もオレンジ色に変わっていきました。

ガチャガチャ・・・カチャ・・・

”・・・ただいま・・・”
「お・・・お帰りなさいませっ・・・」

Figaro様はいつもよりお早くお帰りなりました。

”どうだった・・・?”
「は・・・はい・・・あの・・。」

Figaro様は上着をソファにおきながら、
 私に近づいてきてくださいました。

”あれ、飲んでないね・・・?”

Figaro様はゲージに括り付けられた
 水分補給用のペットボトルを持ち上げながら仰いました。
   Figaro様のことを思うことに夢中で
     水分を取ることを忘れてしまっていました。
      気がつけば喉がからからでした。

「あ、あの・・・、
  お、お聖水を・・・
   どうぞ・・・お聖水を・・・
     お恵み下さいませ。。」

私は掠れた声でお願いをしました。
 実はそれを朝からお待ちしていたのかもしれません。    
  Figaro様は優しく微笑んでお返事くださいました。 

”ああ、わかった、溢すなよ・・・”
「は、はい・・・、ありがとうございます。」

私は大きく口を開けて
 のどの渇きを潤す最上のお飲み物を頂いたのです。
  その嬉しさに知らず知らず涙が溢れていました。


飲尿奴隷
飲み物



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