2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

服従哀奴ターミ#4 「待ちます・・・」

『街灯のもとで』

私は雪の中を何度も転びながらも、
何とかご主人様との待ち合わせ場所に
着くことができました。

オレンジ色の街灯の下、
私はご主人様の姿を探しました。
けれども、ご主人様の姿はありません。
手錠以外、何も身につけていない私には
時刻を知る術(すべ)がありません。
慌てる余り実は早く着き過ぎてしまったのかもしれません。

”けれど、
 あれだけ雪の中をもがいていたのだから・・・”

時間が経ちすぎて、
ご主人様はもう帰られてしまっているのかもしれません。

”どうしよう・・・、
 もう少し待っていようかな・・・?”

私は街灯の下に立ち、
ご主人様に私の場所を知らせるべく、
オレンジ色の光に身を晒しました。

雪中全裸
街灯の元


雪は相変わらず、
音も無く降り続いています。
空を見上げれば幾千、幾万の雪の結晶が
闇から次々と沸いてきます。

雪を降らせる雲を
深夜に窺い知る事は出来ません。

ただ漆黒の夜が
雪を次々と生み出し続けています。

”どこから降りてくるのかな・・・?”

闇の遥か上空に
雪の工場を想い、
見上げ続けていると・・・

髪に・・・
   胸に・・・
      肩に・・・・
頬に・・・
   眉に・・・
      唇に・・・

静かに・・
   静かに・・
     降り積もります・・・ 

街路樹・・・
   ゴミ箱・・・
      泥に汚れた道路にも・・・

ゆっくり・・・
  ゆっくり・・・
    降り積もります・・・

やがて白い結晶は
  全てのものを雪のオブジェに変えていきます。

待ちます。


”ああ・・・ご主人様・・・、
 ターミはここで待っています・・・・。”

ただ・・、
  ただ・・・、
    音の無い世界に佇み、
      私は白い結晶に包まれていきました。

コメント

非公開コメント

プロフィール

ふぃがろ

Author:ふぃがろ
ふぃがろです。
よろしくお願いします。

最新トラックバック

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR