2017/05/21 そう・・・あの時お前は・・・ 収監から9年を過ぎた頃からだった幸絵は俺を訪ねてくるようになった母ちゃんと俺をこんな目に合わせやがった憎いお前らに逢いたくもないだがお前はそれから1年の間毎週のように訪れては逢わない俺に手紙を置いていきやがった一体なんなんだ・・・?お前の真意が判らなかったお前は手紙で一切あの事件には触れてこなかった・・・大好きだった母ちゃんが死んだことにも触れず唯俺の出所を待っている言葉だの励ます言葉を繰り返す手紙を送ってきやがったそして出所一か月前に幸絵が置いていった婚姻届その時俺は初めてお前に返事を返した・・・婚姻届けを貰って判った・・・やっぱりそうだった・・・結婚なんて・・・期待させやがって危うく騙されるところだった手紙で俺を油断させて期待した俺をあのくそ親父と笑うつもりだったんだ!!ざまあみやがれっ!破り捨てた婚姻届をみればしくじったことに気付きやがるだろう騙されるかよっ!!そう思った2日後だった・・・・。刑務所の便所で俺は・・・俺は・・・何度も何度も目をこすり再び送られてきた手紙と婚姻届けを何度も何度も読んだんだ信じていいのか・・・?本当は本当は・・・逢いたかったんだ・・・この一年間だけど期待をしたら裏切られるのが・・・辛い目に遭うのがわかっていたから逢ったなら返事を書いたならきっと嘲笑われる・・・期待をしてはいけない期待をしたなら・・・けれど再び婚姻届が届いたとき俺は・・・俺は試そうと思った”迎えに来るんだったら 露出たっぷりで迎えに来いっ!”「よし兄ちゃあぁぁぁんっ!」お前は・・・お前は来やがった・・・3月の雪の中・・・眩しいほどに明るい笑顔を俺に向けて手を振っていた・・・俺はお前に・・・お前に目を合わせることができなかった・・・”待って・・・ 待って・・・ ね・・・よし兄ちゃん待って・・・”あまりにもお前が余りにもお前が変わっていたから・・・俺は・・・俺は信じても・・・俺は信じてもいいのか・・・?俺は俺は本当にお前のことを・・・幸絵俺はお前とお前と一緒に暮らしていけるのか・・・?俺は俺はお前を・・・お前のことを・・・好きになってもいいのか・・・本当に・・・本当にお前のことを・・・愛しているのに・・・あの時お前は・・・お前は・・・お前は俺を・・・それが無ければ・・・
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