2014/02/02 幸絵029『幸絵クリスマスの葛藤 嘘』 「ごっ・・ ごめん、幸ちゃん! 着替えてるなんて 思わなかったから・・・!」謝罪しながらも店長の室山の視線はしゃがみこんだ幸絵の白い肌を追っていた。息を呑み幸絵の方に近づこうとしている様子に滝沢は・・・「ふーん、まあ、 そんなとこか・・・?」と呟きながら彼の前に立ちふさがり、指をドアに向けながら、「ほらっ! 出てってくださいっ若旦那っ! それとも、もっと 幸ちゃんの肌を覗きたいんですか?」店員たちは陰で二代目である室山のことを揶揄してそうして呼ぶ。面と向かってそれをいえるのはもちろん、滝沢だけである。「い・・いや、 そ・・そんなことは決してっ!」「セクハラで訴えられたいんですかっ?」「ひえっ・・・。」店長は慌てて二人に対して背を向けた。その瞬間、滝沢はちらっと幸絵のほうを見て微笑んだ。「た・・滝沢さん・・・。」滝沢のその合図で店長との仲が彼女が疑うようなものではないことを理解してくれたのを感じた。「ほらっ・・・ 若旦那っ、行くわよっ・・・!」滝沢は室山の背中を押した。「う・・うん、でも・・・。」「この積まれたケーキのことでしょっ!?」「えっ・・・?」滝沢の言葉に幸絵と室山は同時に声を上げた。「こんなに仕入れちゃって・・・。」侮蔑の目を向けながら滝沢は室山に呟いた。「それで幸ちゃんに 応援頼んだんでしょ・・?」「・・・!」室山は背中を向けたまま身体を一瞬震わせた。滝沢は鋭くそのいきさつを言い当てていた。「ほらっ!」バンッ!肩を更にすぼめた室山の姿に確証を得た様子の滝沢がその背中を叩いた。「ほらっ、若旦那、 みんなに説明してもらいましょうか?」滝沢の口元に浮かべた笑みは幸絵に向けた微笑とは明らかに違い、二代目店長を追い込もうとする意図が伺えた。常の言動がいけすかないと店員たちに嫌われている室山だった。”ああ・・店長・・・。”室山の辛そうな表情に気持ちは居た堪れなくなり、思わず幸絵は滝沢に向かって叫んだ。「あ・・あのっ、 滝沢さんっ! わ、私が悪いんです。 私が発注を間違えたから・・・ 店長が・・・ 店長が何とかしようって・・・ それで・・・ 店長が・・・。」幸絵は室山のために叫んでいた。<あとがき>幸ちゃんは何故そんな嘘をつくのでしょう。幸ちゃんは本当に馬鹿なんです・・・、悲しくなるほどにお人よしなんです。ふぃがろ
コメント
完璧な表現!
本当に、うまいですね!
内容も、ぞくぞくしますが
滝沢さんの濃いメークまでも
忠実に、再現できてて
リアルな写真のようで感動します。
本当に才能ですね。
今まで、これほど完璧な
イラスト見たことがありません。
美しい作品、いつも楽しみにしています。
2014/02/09 08:06 by ココア URL 編集
Re: 完璧な表現!
ありがとうございます、
イラストも文章も
実はあまり自信はありません。
でも、
とても嬉しいです。
がんばります。
ふぃがろ
> こんにちは
>
> 本当に、うまいですね!
> 内容も、ぞくぞくしますが
> 滝沢さんの濃いメークまでも
> 忠実に、再現できてて
> リアルな写真のようで感動します。
>
> 本当に才能ですね。
> 今まで、これほど完璧な
> イラスト見たことがありません。
>
>
> 美しい作品、いつも楽しみにしています。
2014/02/09 21:41 by ふぃがろ URL 編集
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2014/06/13 16:19 by 編集
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2014/07/13 10:10 by 編集