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幸絵025『幸絵クリスマスの葛藤 囚われた心』

会議室に差し込む
日差しは
ほぼ平行に傾き
オレンジ色を更に強めてきていた。

もうすぐ
日暮れが近い。

愛しい夫に奉仕出来る時が
迫ってきているのは
幸絵にとって
本来はとても
待ち遠しく心浮き立つものがある。

けれど、
今、幸絵の胸に去来するのは
時間が惜しい、
もっと時間があれば、
という本来の願いと異なる
悲しい矛盾であった。

制服のシャツを脱ぎ去った
幸絵の白い胸に傾いた日差しが
反射した。

”家畜妻”

と刻まれた刺青が
支配者の如く
美しく反射する白い乳房への
他の者の介入を許さない。

その支配の印を見たならば
きっと男は退き、
女は蔑む。

それは
幸絵の愛しい夫への愛の印。

幸絵が何故
この印を穢れの無い
その白い肌に刻んだかは
いつか別の機会に物語ろう。

”伸びるけれど・・・
 やっぱり・・・
 小さいな・・・。”

もうちょっとだけ、大きければ・・・

両腕を通し
意外と伸縮性のあるサンタ衣装の
感触を確かめながら
幸絵は思った。

着替えることは
決めたことなのだから
もうそれはいい。

肝心なのは
身体の線がどれくらい
その凹凸を際立たせてしまうかであった。

会議室の片隅で


”どうか・・・
 目立ちませんように・・・”

幸絵は愛する夫に
下着を着けないことを
人間廃業の折に誓っていた。

彼女の愛らしい乳首、
そしてそれを
禍々(まがまが)しく穿ったピアスを
浮き立たせてしまうことが
どれほどのものなのか
幸絵の懸念はそこにあった。

余りにも目立つならば
何らかのその措置を取らざるを得ない。

幸絵の心は
そのことに囚われはじめ
忘れ得てはならない気掛かりへの
関心を薄れさせていた。

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あとがき

人は気に掛かることがあると
そのことに囚われ
その他のことを疎かにしてしまいます

やはり、
それは恋愛でも同じで
どこかに気に掛かる人がいると
本当に大事な人のことを
疎かにしてしまうことを思います

男は沢山の愛を持つけれど

唯その許容には
限りがあって
そのことに気づくのは
疎かにされた人なのかもしれないことを
男は気づきたくないのだろう

・・・と自己反省
なんだかにゃー

Ps
拍手ありがとうございました。
ココアちん、コメントありがとね。

ふぃがろ






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