2014/01/10 幸絵025『幸絵クリスマスの葛藤 囚われた心』 会議室に差し込む日差しはほぼ平行に傾きオレンジ色を更に強めてきていた。もうすぐ日暮れが近い。愛しい夫に奉仕出来る時が迫ってきているのは幸絵にとって本来はとても待ち遠しく心浮き立つものがある。けれど、今、幸絵の胸に去来するのは時間が惜しい、もっと時間があれば、という本来の願いと異なる悲しい矛盾であった。制服のシャツを脱ぎ去った幸絵の白い胸に傾いた日差しが反射した。”家畜妻”と刻まれた刺青が支配者の如く美しく反射する白い乳房への他の者の介入を許さない。その支配の印を見たならばきっと男は退き、女は蔑む。それは幸絵の愛しい夫への愛の印。幸絵が何故この印を穢れの無いその白い肌に刻んだかはいつか別の機会に物語ろう。”伸びるけれど・・・ やっぱり・・・ 小さいな・・・。”両腕を通し意外と伸縮性のあるサンタ衣装の感触を確かめながら幸絵は思った。着替えることは決めたことなのだからもうそれはいい。肝心なのは身体の線がどれくらいその凹凸を際立たせてしまうかであった。”どうか・・・ 目立ちませんように・・・”幸絵は愛する夫に下着を着けないことを人間廃業の折に誓っていた。彼女の愛らしい乳首、そしてそれを禍々(まがまが)しく穿ったピアスを浮き立たせてしまうことがどれほどのものなのか幸絵の懸念はそこにあった。余りにも目立つならば何らかのその措置を取らざるを得ない。幸絵の心はそのことに囚われはじめ忘れ得てはならない気掛かりへの関心を薄れさせていた。--------------------------------あとがき人は気に掛かることがあるとそのことに囚われその他のことを疎かにしてしまいますやはり、それは恋愛でも同じでどこかに気に掛かる人がいると本当に大事な人のことを疎かにしてしまうことを思います男は沢山の愛を持つけれど唯その許容には限りがあってそのことに気づくのは疎かにされた人なのかもしれないことを男は気づきたくないのだろう・・・と自己反省なんだかにゃーPs拍手ありがとうございました。ココアちん、コメントありがとね。ふぃがろ
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