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幸絵003『クリスマスの朝早くⅠ』

クリスマスの朝


そして
クリスマスの日はやってきた。

幸絵は夕べのうちに許可を貰い、
いつもより早く、
夫の住む屋敷内の台所に上がらせて貰っていた。

そう、
あるものを作るためだった。

”それ”を見たときの
 夫の喜ぶ顔が目に浮かぶ。

「さぁ・・
  わたしからっ・・
   メリークリスマスッ♪
 あなたかぁら
   メリークリスマスッ♪
 サンタクロース イズ
   カァミン トウ タァウン~♪」

いつしか、
 幼い頃に夫と歌った
  クリスマスソングを口ずさんでいた。

「愛しい幸絵加虐生殺自在主様
  喜んで下さるかしら・・・?」

夫を起こさないよう
 慎まやかに
  けれど幸絵のその歌声は
   彼女の心をあらわす様に弾んでいた。



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