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牛女畜奴栗原香澄#17 『希望』

『希望』

女子トイレを出た香澄は
 駅脇にある公衆電話ボックスに駆け込みました。

”お願い・・・
  使えますように・・・”

祈りを込めて
inori


受話器を取り、
 祈る思いを込めて
  テレフォンカードを見つめました。
   カードの穴の位置から
    恐らく10度数くらいはある筈なのです。

”ピッ・・・”

香澄の祈りは通じ、
 公衆電話の残量掲示に
  ”11”との数値が出ました。

”あ・・ああ、
  つ、使える・・・!”

歓喜した香澄は
 プッシュボタンを押しました。   
  ピッ、ポッ、パッ、ポッ・・・・・・
   牛女に改造されても、
    いえ、改造されたからこそ、
     忘れまいと思っていた
      自宅の電話番号を打ち込みました。

”で・・・出て・・・・
  お母さん、
   お父さん、
    香奈・・・・”

香澄は家族の顔を
 思い浮かべながら
  電話の呼び出し音に
   聞き入りました。

プルルルル・・・・
 プルルルル・・・・・

”お・・・
  お願い・・・・!”

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・
  ガチャ・・・

「はい・・・
  もしもし・・・
   どなたですかっ!?
    こんな時間に!」

”あ・・・
  あぁ・・・
   香奈ちゃん・・・・?!”

懐かしい声に
 思わず涙ぐみます。

「も・・・
  もぉぉっ、
   もぉぉぉぅ・・・・!
(か・・香奈、
  ・・・・わ、私・・・
    香澄よっ!)」

香澄は必死に喋りましたが
 やはり牛の鳴き声にしかなりません。

「はいっ?
  ・・・なんですか?
   ・・・変質者の方ですか?!」


「も・・・
  ももぉぉ
   もぉぉぉっ!
 (ち・・・
  ち・・ちがう
   ちがうのっ!)」


ガチャン!!
 ピピ・・・
  ピーピーピーピー・・・・

いたずら電話かと思われたらしく、
 一度つながった電話は切られてしまいました。

”か・・香奈、
  そ・・そんな、
   わかって私なの・・・・”

香澄はまたカードを押入れ
 プッシュボタンを押しました。
  既に残度数は”7”を表示していました。
   遠距離の為に消耗が激しいのです。

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・
プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

プルルルル・・・
 プルルルル・・・・

ガチャ・・・


「いいかげんにしてっ!
  今、何時だと思ってんのっ!」

「も・・・
  もぉぉぉ・・・
   もぉぉ・・・・
    んもぉぉぉ・・・
     んもぉぉぉ・・・・・・

 (わ・・、
   私なの
    香澄なの・
     わかって・・・)」


「あのね、
  いい加減に
   してくれないかな・・・?」

「も・・・ももぉ・・・
   もぉぉももぉぉ・・・
(か・・香奈・・
  私、私なの・・・)」

「え・・・
  もしかしてその声
   お姉ちゃん?!」

「も・・もぉぉ
  もぉ・・・
 (よ・・
   よかった
    香奈・・・)」

香澄はテレフォンカードを拾った時から
 喋ることは出来ないにしても
  まずは自分の声が判ってもらえれば
   生きていることさえ判ってもらえば
    と思っていました。

それから何とか
 自分が置かれたこの異常な状態が
  伝われば救いの道が開けるかと思ったのです。

「お姉ちゃん!
 1年半以上も音沙汰無しで
  連絡してきたと思えば
   酔っ払って”牛のまね”・・・?!

 家族に頼らず
  酪農やるって出てって
   いい気なものね・・・。」

「も・・・
  もぉぉ・・・
 (ご・・
   ごめんなさい。)」

「お父さん、お母さんは
 ”香澄なら大丈夫って”
   でも本当はとっても心配してるのよ・・。
    せめて携帯でもいいから
     連絡先くらい知らせてくれれば・・・。」

「う・・
  うもぉぉぉ
   うもぉぉ・・・
 (う・・・
   うあぁぁ・・・
    うぁぁぁ・・・)」

牛女となった今、
 香澄はその考えが如何に
  浅はかだったのか
   痛いほどに判りました。

「え・・・お姉ちゃん
  な・・泣いてるの・・・?
   ね・・・なんで
    なんで・・牛の声真似で・・・。」

「う・・
  うもぉぉぉ うももぁ
   うもも・・うもぉぉ・・・
 (か・・・
   香奈ちゃん ごめんなさい・・・
    ごめん うぁぁぁ・・・)」

「ね・・
  ど・・どうしたの?
   何かあったの?」
   
「もぉぉ・・
  も・・もおぉぉっ・・・
   もぉぉっ・・・もぉぉぉももぉ・・・
    もぉぉぉぉぉっ・・・ 
(あぁぁ
  そ・・・そうなのっ・・・
   助けて・・助けて香奈ちゃん・・・
    ああぁぁぁぁっ・・)」

何を言おうとも
 言葉が通じることはないことは
  香澄には判っていました。

けれども
 香澄が生きていて
  異常なの状態に置かれていることがわかれば
   まだ救いの手が伸びる可能性があります。

酪農で有名なこの町も
 捜索され香澄が保護されることも期待できます。

「お・・お姉ちゃんっ!
  何か、起きてるのねっ!?
   困ってるのね? 
    ね・・ね、お姉ちゃ・・・!」

プツッ
 ツーツーツーツー・・・

途中で電話が切れた音が
 受話器から伝わってきました。
 
ピピ・・ピーピーピー

カードの残度数が
 ”0”を表示し
  差込口から出てきました。
   けれど香澄は受話器を
    握り締めたまま
     感慨に耽っていました。

伝えたいと思っていた  
 自分の危急を香奈は
  理解してくれたはずです。
   警察に通報され
    この町の女牛産業が
     暴かれる可能性も出てきます。

”助かるかも・・・?”

香澄は期待をしました。
   
けれども
 それは脆くもすぐに
  崩れ去る運命にあったのです。

籠の中
kibou2


「へへへ・・・やっと見つけたぜ・・・。」

農場主が
 足音を忍ばせ
  電話ボックスに
   近づいてきていたのでした。

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あとがき

支離滅裂。。。。

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