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肉体改造奴隷SlaveButterfly#4 『境界』

『境界』

ザブーンン・・・・
  ボコボコボコ・・・・・

雪解けの水を湛えた川の冷たさは
 皐月を迎えた今も
  身体を凍えさすには十分なもので
   私の全身の肌は
    急激に収縮しました

ドスン・・・
 川底に錘の着いた音が
  冷たい水を介して私の身体全体に響きました

錘に僅かに遅れて
 私も飛び込んだ反動で
  川底に生い茂る水草を踏みつけました  

ザザ・・グググ・・・・

次の瞬間、
 私は水面を目指して
  水草を押しのけて柔らかい川底を
   蹴り上げました

シュルルル・・・・・

私は背を伸ばし
 川面の光を求める浮力を加速させ、
   冷たい水が頬を撫でて行くのを感じます

・・・・ビンッ!

”んぐっ・・・!”

ラビアの痛みに
 思わず噛んでいた
  口元のストローを逃しそうになりました

錘の鎖が
 私の浮上を許さず
  ラビアに穿いたピアスを離しません

”ああ・・・もう少しなのに・・・”

私の10cm程度の眼前に
 遅い春を迎える北国の陽光を差し込む
  明るい川面に広がっています・・・

”くううう・・・・”

私はラビアも引き千切れんばかりに
 足で水を掻き
  水面を目指しますが
   ラビアの悲鳴が下半身に響くばかりで
    一向にそこに近づくことは出来ません

”・・・んん・・・と・・届いて・・・”

私は口に咥えた
 その頼り無げな救命具を必死に
  明るく光る方向に挿し伸ばしました
   頼り無げな救命具の先端は
    僅かに水面の向こうに顔を覗かせました

「すうぅぅぅ・・・・」

思い切り吸い込み
 全身に酸素を行き渡らせ
  鼻からその吐息を漏らします

ボコココ・・・・

”・・・はぁ・・・何とか
   呼吸は出来る・・・”

単なる廃棄物でしかない
 使用済みのストローが
  私の命を繋いでいます

呼吸が出来
 落ち着きをやや取り戻した私は
  光る水面の向こうの景色に
   愛しいご主人様のお顔を垣間見ました

僅かな瞬間
 流れて揺れる水面を境界に
ご主人様の目と私の目が合いました

”大丈夫だな・・・?”

”はい・・・・大丈夫です・・・”

刹那の掛け合いに
 私のマゾの性能を試す契りを交わします
  やがて水面の向こうに
   愛しいご主人様のお顔は消えました

究極マゾ
kyoukai


きらきらと光る
 春の陽光の暖かさを
  冷たい雪解け水の中
   私は感じ続けます・・・
    再び、
     愛しいご主人様のお顔が
      境界の向こうに戻るまで・・・




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