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拷問虜囚ナディア#9 柱の女

拷問虜囚ナディア
拷問柱の女



『柱の女』
ナディアは恐る恐る柱の裏側に回りました。
ゲオルグが柱の前に立っているのが見えました。
彼の視線は肖像画が掛けられていた柱の根元に向けられていて
そこには何か白い塊が巻きついているのがナディアにも見えました。

『もっとこっちへ来いよ・・・。』

とばかりにゲオルグが声に出さずに顎でナディアを誘います。
最初はぼんやりと白い塊であったものが
徐々にそれが人であることがわかり始めました。
しかし、その置かれた状態の悲惨さは、

「・・・ひっ!」

ナディアに思わず声を押し殺した悲鳴をあげさせるのに
十分な状況でした。
肖像画の柱に括りつけられているのは全裸の女性でした。
手足を無理やり柱の後ろ側に持っていかれ、
それぞれ木製の手枷足枷で固定されています。

更に無残にも彼女の両乳房は
数本の鉄串によって刺し貫かれていました。
縦にそれぞれ1本づつ、
横には2本の鉄串が両乳房を繋げるように刺し貫かれ、
その全ての鉄串の先端は鋭角に曲げられて
容易に抜けなくされているのです。
乳房はそのいたぶりにより、
赤紫に変色し腫れ上がっています。

更に黄金の恥毛に覆われた剥き出しの股間は、
恐らく彼女の体重の殆どを支えている形で
金属の鋸の歯状になった梁に食い込んでいます。
そしてその下側には、この部屋の悪臭の根源であろう、
彼女が排便したであろう糞尿の塊が見えました。

「こんなに溜まっちまってる・・・臭えわけだ・・・。
 また、1320号に片付けさせんとな・・・。」

糞尿を眺めるゲオルグは言葉自体は
嫌そうな口ぶりではありましたが、
顔は相変わらず歪んだ笑みを浮かべています。
ゲオルグのその言葉と彼女の様子から
この悲惨な女性がこうしてここに留置されているのは
既に数週間、いや数ヶ月が過ぎていることを感じさせました。
唖然として見ているナディアを見て、
ゲオルグは愉快そうに柱の女を顎で示しながら問いました。

「くくく・・・、これが・・、
 誰だかわかるか、ナディア・・・・。」

「・・・あぁぁ・・・。」

ナディアには既に分かっていました。
酷く殴られたと見える顔の片側は傷と血液で赤紫に染まっており、
額には”1321”と数字が烙印されていました。
しかし余りにも変わり果てた姿ではありましたが、
その見事な金髪と無傷な片顔の相貌は
エリアナ妃であることは間違いありません。

「な・・・なんで・・・?」

「いひひひ・・・、
 何でだろうな?ぐふふふ・・・・・。」

ゲオルグはナディアの驚きに満足げな笑みを浮かべ、
エリアナ妃を見下ろしているのでした。

拷問虜囚ナディア#8 エリアナ妃

拷問虜囚ナディア
美女
eriana




『エリアナ妃』

「・・・ゲオルグ・・・でしたね、
 ごめんなさい、驚かせてしまいましたね。」

エリアナ妃はゲオルグに語り続けました。
そして警護役の女にも微笑みながら、

「シモナ、ありがとう、
 最近新しい庭師が入ったこと、
 宮廷長から聞いております。」

「はい・・そうでしたか。」

シモナと呼ばれた警護役の女はエリアナ妃に頭を下げ
銃を降ろしました。

「・・・最近のお庭、
 とっても綺麗で嬉しく思っていました。
 貴方でしたか・・・
 お礼を伝えようと思っていた矢先だったのに・・・、
 ごめんなさい。」

「い・・・いえ、そんな、滅相もない・・・。」

「おいっ!お前、皇太子妃に直接・・・」

直接、口を聞こうとしたゲオルグに
再び、警護役の女・・シモナは胸倉を掴まんばかりに近寄ろうしました。

「シモナ、いいのです。」

シモナを制し、エリアナ妃は言葉を続けました。

「これに懲りずに、これからもがんばって下さいね・・。
 もし、仕事が片付かないようだったら、
 私の時には居てもいいですよ・・・。」

「は・・・はいっ!あ・・・ありがとうございますっ。」

ゲオルグは自分の回想をナディアに語り続けました。

「あの時の、真っ白に輝いたエリアナ妃の美しかったこと・・・、
 優しげな笑顔・・・、俺は忘れねぇ・・・。
 あの後、エリオナ妃の姿を見ようと、
 エリアナ妃が散歩の日には俺はわざと仕事を遅らせたりしたんだ。
 でも毎回だと流石にまずいかと思って・・・
 それでも3回に1回にしたんだぜ・・・・。」

ゲオルグは時折、ナディアのほうを向いて得意そうに
エリアナ妃のことを話します。
確かにこんなところにエリアナ妃の肖像画があるのは
不自然ではあるけれど、
ナディアはむしろ何故彼らの昔話をゲオルグが聞かせるのだろう、
それよりも更に
”はやく、おしっこをさせてほしい”
との気持ちがつのってきていました。
でも、ゲオルグは話を続けます。

「・・・でもよ、
 エリアナ妃は俺が庭の片隅で片づけする素振りを見せていると
 笑顔を浮かべて、
 いつも言葉を掛けてくれてたんだぜ・・・。」

肖像画を見上げながらゲオルグはにやついた顔を見せて
語り続けました。
しかし、その後、急に顔を曇らせて・・・

「・・・それから半年も経たない内に
 クーデターが起きやがったんだ・・・ペッ・・。」

ゲオルグは顔を伏せて唾を吐きました。
そしてその後、
今度はゆがんだ笑みを浮かべてナディアの瞳を見ながら
語り掛けてきました。

「・・・ふふ、ナディア・・・。
 なぜ、エリアナ妃の・・・、 
 皇太子妃の絵がこんな所にあるか
 不思議に思ってるんだろ・・・?」

「・・・え・・ええ・・・。」

「ふ、ふふふ・・・くくく・・・、 
 そうだろうな・・・、
 こんなに臭い地下の一室になんで・・・
 飾られているのか・・・?
 ぐっふふふふふ・・・わからんだろうな・・・。」

ゲオルグは楽しくてしょうがないとばかりに含み笑いをして
再び絵を見上げました。

「教えてやるよ・・・・、こっちへ来い・・・。」

ゲオルグは皇太子妃の肖像画を一瞥すると、
ゆっくりとその絵が掲げられた柱の裏側に歩いてゆきました。

「ほら、来いよ・・・。」

声を掛けられても動き出せれない
ナディアがそこにいました。
ナディアは言い知れない恐ろしいものがそこにあることを
感じていたのです。

「来いっ・・・!」

しかし、恐ろしい顔で怒鳴りつけるゲオルグの命令に
ナディアは逆らえず、
おぼつかない足で肖像画の裏側に歩みを進めざるを得なかったのでした。

拷問虜囚ナディア#7 庭師ゲオルグ

拷問虜囚 ナディア
拷問庭師ゲオルグ


『庭師ゲオルグ』

宮廷の庭は春の訪れを謳歌するように
花が咲き乱れていました。

「よし、こんなもんかな・・・。」

ここの庭師として雇われて間もないゲオルグは
庭の枯葉や雑草を捨てる為にまとめている最中でした。

「まぁ・・・綺麗、ほんと、もう春ね・・・。」

透き通る優しげな女性の声が宮廷の庭に響きました。

「ああっ、しまったこんな時間だ!」

ゲオルグは懐中時計を見て驚きました。
王族の散歩の時間は決められており、
その時間帯は庭師は退去していなければならないのです。
その為に宮廷から懐中時計が配給されているのです。

温暖な日が続いた所為で想いのほか、
雑草が庭園に芽を伸ばしていました。
庭の整備にまだ不慣れなゲオルグは
整備の不備を責められることを恐れて夢中で摘み取っていた為に、
思わず時間を忘れてしまっていたのでした。
見つかれば、厳罰が下されることをゲオルグは
宮廷長から伝えられています。

「・・・ど、どうしよう・・・、見つかったら・・・。」

命まで奪われることはないにしろ、
宮廷に勤める仲間からクビは当然、
場合によっては酷い体罰も加えられることも聞いていました。
ゲオルグは身を屈め、
植木の陰に身を潜めました。

「チューリップも今が盛りね・・・。
 ほんと、きれいね・・・。」

しかし、話し声はゲオルグに近寄ってきます。

「ああ・・・、
 このままでは見つかってしまう・・・。」

ゲオルグは意を決して四つん這いになり、
庭から這い出そうとしました。

・・・・ガチャン!

その時、屈んで向きを変える瞬間、
ゲオルグは腰のホルダーに入れた庭バサミを
落としてしまったのでした。

「そこっ、誰かいるの!出てきなさい!」

さっきまで聞こえてきた女の声とは
別の女の低い鋭い声が響きました。
慌てて逃げ出そうとするゲオルグの傍らに、
その女が駆け寄り拳銃を構えました。

「う・・・撃たないでくれっ・・・!」

「誰だ!・・・軍部のものかっ!?」

「ち、違いますっ!・・・に、庭師です。
 庭師のゲオルグと申します。」

戦火がこの国にも近づいてきており、
軍部の圧力が行政内閣にも及び始めた頃でした。
王族は護身の為にプライベートに警護役を付けていました。

「・・見掛けない顔だっ!」

「・・・やっ、雇われたばかりなんで・・・!
 お、お許しを!」

懲罰どころか命の奪われる危険を感じたゲオルグは
頭を地面に擦り付けて詫びました。

「・・・銃をひきなさい、シモナ・・・。」

「・・・エリアナ様・・・、しかし・・・。」

「・・・シモナ・・・。」

「・・・はい。」

「・・・さあ、頭をお挙げなさい。」

輝く白い服に包まれたエリアナ妃が
身を縮ませて震えるゲオルグに優しく声を掛けたのでした。

ナディア#6 皇太子妃の絵

拷問虜囚ナディア
拷問


『皇太子妃の絵』

ゲオルグは呆けた様に口を開けてナディアに語り掛けました。

「どうだ、美しいだろ・・・。」

僅かな地上の光を反射して輝くその絵には
一人の若い女性が描かれていました。
赤いドレスをまとい、綺麗に結われたブロンドの髪の上には
彼女の気品に相応しい銀色の冠が飾られていました。
またそれに負けない気高さと神々しさがその相貌に溢れていました。

「どうだ、・・・どう思うっ・・・?」

我がことを誇るようにゲオルグが問います。

「は・・・はい、お美しいです・・。」

ゲオルグに言われたためでなく、
ナディアは素直にそう思いました。
しかし、何故こんな所に・・・、
既に部屋に入って数分は経とうとしているのに
鼻腔を襲う異臭は衰えません。

天窓が開いてなければ、
きっともっと酷い臭いでしょう。
こんな場所に全く似つかわしくない絵なのです。

「誰だか分かるか・・・?」

この近隣の国々でこの絵の主を知らぬはずはありません。
ナディアは当然の如く応えました。

「は・・・はい、エリアナ妃です・・・。」

この国の辺境に住むナディアさえもその姿は見知っていました。
ナディアが産まれる2年前、
15歳の若さでこの国の皇太子に嫁いで来た隣国の王女です。

その美しさと気高さは当時から国民の間でも騒がれ、
その後、皇太子との間にお授かりになった
一人の王子と二人の王女は彼女と共に王室の人気の的なのです。
平和だった頃、救護院や病院、孤児院の設立などにも尽力し、
美しいだけでなく優しく慈悲深い人柄に国民は惹かれていました。

ナディアも隣町の掲示板に時折り貼られる、
宮廷公報でのエリアナ妃のその姿や行い憧憬や、
敬愛を描いていた一人でした。

今回の軍事クーデターの後、
消息が分からないことを街の噂で聞いていました。

「あぁ、そうだ、エリアナ妃だ・・・。
 綺麗だよなぁ・・・
 優しくて、まさに女神そのものだ・・・。」

ゲオルグは語るとおり、
美しい女神像に憧れる少年のような相貌で語り続けました。

「俺はな・・・、宮廷の庭師をしていたんだ・・・。」

ゲオルグは部屋の臭いなど忘れたように、
恍惚とした表情で自分の昔話を語り始めたのでした。
ナディアは尿意に足を擦り合わせつつ、
今はただその話に耳を傾けるしかありませんでした。

ナディア#5 13号室にて

拷問虜囚ナディア#5
 拷問13号室入室


『13号室にて』

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

ナディアは再び長く冷たい廊下を歩き続け、
13号室の前に着きました。
13号室の扉は閉められているのにも関わらず、
その中から異臭が漂ってきています。

『・・・お便所なのかしら・・・?』

けれど、ナディアが尿意を伝える前に
13号室に向かうことは決まっています。
不思議に思いながらもナディアはゲオルグが
ドアのノブの鍵を外す行為を見つめていました。

ガチャガチャ・・・ガチャン、キィィィ・・・・・・、

扉が開けられた13号室のむっとする異臭は
ナディアたちのいる廊下に流れ込んできました。

「行くぞ・・。」

ドアのノブを押し開きながら話しかけた
ゲオルグの顔が何故か嬉しそうなことにナディアは気が付きました。
ゲオルグの微笑の意味を疑問に思いつつも
ナディアはゲオルグの後に続いて入りました。
中は薄暗くは有りましたが、壁の最上部に何箇所か
地上の光が差し込むような天窓が設けられていました。

「・・・どうだナディア・・・!」

ゲオルグが嬉しそうな声をあげて部屋の中央を指し示しました。
ゲオルグの指差したそこには光が刺し反射している
一枚の絵が飾られていました。

「ほらっ・・・こっちに来てよく見てみろ!」

尿意がつのり、
それどころではないのですが、
逆らうことを避け、
ゲオルグが招き入れるのに応じてその絵を見上げました。

「ああ・・・」

ナディアはその絵を見て小さな驚きの声をあげました。
そこにはこんな異臭がする場所に
は似つかわしくない肖像画が飾られていたのです。

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ふぃがろ

Author:ふぃがろ
ふぃがろです。
よろしくお願いします。

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