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拷問虜囚ナディア#10 然るべき報い

拷問虜囚ナディア
拷問
muuki


『然るべき報い』

「ひ、・・・酷い・・・・、
 な、何で・・・?こんな酷いことをっ・・・?」

ナディアは尿意も忘れ、無残な姿のエリアナ妃のことを尋ねました。
ナディアの問いにゲオルグは薄ら笑いを浮かべながら答えました。

「・・・んーっ・・・・?
 何故かって・・・・こいつはなぁ・・・裏切りやがったんだよ・・!」

「え・・・・う・・・裏切るって・・・、
 ゲ・・ゲオルグ・・・様をですか・・・?」

「・・・ああ、そうだ・・・いや・・・、
 俺を含めた国民、国家全体をだよ・・・・!」

ゲオルグは途中で言い換えましたが、
どちらにしてもナディアには
彼の言っている意味が良くわかりませんでした。
しかし、なんにしてもこの仕打ちは酷すぎることを感じ、
ナディアは問い続けました。

「で・・・でも・・・、
 こんな、何もこんな・・・こんな酷い目に逢う・・・
 それ程酷いことをされたの・・・ですか?」

暗がりの地下室で全裸に剥かれ
傷だらけの身体で柱に括られている皇太子妃を見てナディアは
怒りにも似た感情を覚えました。

エリアナ妃は恐らく眠っているか気を失っているのでしょう、
僅かに差し込んだ光で照らされる顔は安らかな表情を浮かべています。
その美しさは見紛う事なき皇太子妃のものです。

「こいつらはな、何百億もの金を
 独り占めにしてやがったんだ・・・。」

「・・・・何百億・・・・?」

「ああ、俺達の金、血税を巻き上げて、贅沢しまくってやがったんだ。
 今もどこかに隠してやがるんだよ・・・。然るべき報いってやつだよ・・・くくく・・・。」

『だ・・・だからって・・・、
 あなたはエリアナ妃にお世話になったのでしょう・・・?』

ナディアは心の中で思いました。
感情に任せて咽喉元まで声が出掛かるのを必死に押さえました。
下手をすれば銃殺、
少なくとも懲罰され庭師を解雇される憂き目に会っていたはずなのです。
それを救ってくれたエリアナ妃のこのような酷い状態を何故笑ってみてられるのか、
ナディアには全く理解できませんでした。

たとえ国税を私有していたとしても、
それが他国から嫁入った皇太子妃であるエリアナ妃にどれ程の責任があるでしょう、

”エリアナ様が本当に悪いの・・・?”

難しいことは判りませんでしたが田舎娘のナディアでさえ、、
皇太子妃が国税を動かすような機密内政に
関与している可能性は低いのではと
なんとなくではありますが、感じます。

”ここまでしなければならないものなの・・・?”

ナディアの表情にはこのゲオルグの行為に対する
憤りの色を浮かび上がっていました。
しかし、当のゲオルグは全くそんなことは意に介しておらず、
安らかな眠り顔を浮かべるエリアナ妃の側に寄り、
血に汚れていない亜麻色の巻き髪を指で弄び始めたのでした。
ナディアはその様子を自分の大切なものを壊されるような
悲しく辛い思いで見つめるしかありませんでした。

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