2016/05/23 殺虫駆除 「ふんっ・・・ つっ・・・つまらねぇっ・・・! つまんねぇこと、 いっ・・言いやがって・・・!幸絵が目を凝らさずともやっと愛しい夫の顔を捉えることが出来たときそこにあったのはいつもの世を拗ねた不満の表情そのものでしかなかった”ああ・・ あああ・・・”その不満を招いたのは自ら放った支離滅裂な言葉であることを幸絵は悔やんだ”ばかっ・・・ 蛆絵のばかっ・・・!”もう愛しい夫から貶(けな)し蔑すんでもらい惨めな家畜妻として思う存分嘲笑(あざわら)われたい彼女のその囁かな期待が叶う気配は既に何処にもない「申し訳ございませんでしたっ! 愛しい蛆絵生殺苛・・・・」「うっ・・うるせぇっ・・・ ばっ・・罰をくれてやるっ!」幸絵の謝罪の言葉を遮り気分を害したとばかりに義春が叫んだ「はっ・・・はいっ!」”ああ・・・ 御機嫌を・・・何とか御機嫌を・・・”「ああ・・・役立たすの マゾう○こ虫蛆絵を どうぞ殺虫駆除してください・・・っ!」自分への憤りを込めて幸絵は叫んだ今再び溢れ来る涙を零(こぼ)さまいと堪える幸絵の瞳には被虐の光りが宿っていた
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